貯蓄や運用など資産形成により、老後の暮らしに備える「自分年金」に関心が高まっている。将来の年金受給に不安が広がっているためだ。ただ、目標額が分からないまま、長期にわたり資産作りを続けるのは容易ではない。自分年金がどのくらい必要なのか検証してみた。
「老後に必要な生活費はざっと9000万円。未来の自分に仕送りするためにも、今から自分年金の準備をしましょう」
東京都内で女性を対象に開かれた自分年金をテーマにしたセミナー。講師の話に熱が帯びると、参加者はうなずきながらメモを取った。都内在住の女性は「将来年金がもらえるか不安なので、自分年金の作り方を学びに来た」と真剣な表情で語る。
主催したのは保険代理店のライフサロン(東京・千代田)だ。首都圏を中心に3~4月に合計約40回のセミナーを開くという。大寄昭生会長は「男性に頼らず独身生活を選ぶ"おひとり様"が増えており、女性の間でも自分年金は非常に関心の高いテーマの一つ」と指摘する。
老後の収支試算
自分年金は老後の生活に備えて、公的年金や企業年金、退職金のほかに自分で準備する資金を意味する。若いころから貯蓄などを元手に株や債券などで運用し、その資産を老後に取り崩しながら生活資金に充てるのが大まかな考え方だ。
老後までにどのくらい自分年金を用意しておけばいいのだろうか。まず、自分が老後に公的年金と退職金をいくらもらえるか、試算してみることが大切だ。
厚生労働省の試算によると、夫が会社員、妻が専業主婦の場合、公的年金の受給額は平均月額23万円。65歳から年金をもらい始めて、そろって平均寿命(男性が79歳、女性が86歳)まで生き、夫の死後は妻が遺族厚生年金などを月額14万円もらうとすれば、受取総額は約5040万円になる。
退職金は大学卒業の会社員の場合、平均約2000万円(同省調べ)。年金制度が現状のままで、退職金を受け取るなら、夫婦2人(会社員・専業主婦)がもらえる総額は7040万円となる(図A)。
もちろん、これだけの公的年金を将来必ず受け取れるわけではないが、自分が公的年金をいくらもらえるか、日本年金機構のホームページにある「ねんきんネット」で試算できる。退職金は社内規程やガイドブックなどで確認してみるといいだろう。
続いて老後の生活に必要な資金を大まかに計算してみよう。これが分かれば自分年金の必要額が見えてくる。
生命保険文化センターの調査によると、夫婦2人なら月22万円あれば、必要最低限の日常生活を送れるという。ただ、旅行や孫への小遣いなど、ゆとりある老後生活を送るなら、14万円上乗せして月36万円が必要とされる。
夫婦そろって平均寿命まで生き、夫の死後は妻が半分の金額で生活する場合、月22万円で過ごすなら、老後の必要資金は総額5940万円。公的年金と退職金の合計額(7040万円)の範囲に収まり、自分年金を用意する必要はない。(図B・ケース1)
一方、ゆとりある生活を送れる金額(36万円)で計算すると、必要額は9720万円に膨らむ。年金と退職金では足りず、2680万円を自分年金として用意する必要がある(図B・ケース2)。
長生きでも安心
専門家の間でも3000万円程度は必要との意見が多い。その一人が、国内外の銀行に長年勤務し、年金制度などに関する著書の多い経営コンサルタントの岩崎日出俊氏。「公的年金の不足を補うため、定年までに約3000万円を用意すべき」と訴える。
岩崎氏の計算根拠はこうだ。60歳から95歳までの35年間、毎月7万円、年間84万円で公的年金の不足分を補うとすれば総額は2940万円になる(図C)。
岩崎氏は日本の財政状況や年金制度の現状を踏まえて「支給額の削減や支給開始年齢の引き上げは避けられないだろう」と指摘する。約3000万円用意しておけば、公的年金が減額されても、比較的豊かな老後生活を夫婦で送りながら、長生きのリスクにも対応できるとみる。
もちろん、老後の生活に必要な金額は、現役時代の暮らしぶりや家族構成、生活する地域の物価水準などで変わってくる。ただ、年金財政の悪化を背景に制度が揺らいでいる現状を考えれば、ゆとりある老後を過ごすためにも、定年までに3000万円程度の自分年金を築くのが一つの目標値にはなるだろう。
実現不可能と諦めたりせず、若いころからコツコツと資産形成を継続するのが欠かせない。
もっと新人のころに、
こういう記事に出会いたかったよ。
トホホだよ・・。
今から挽回・・・できないだろうなあ。
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